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国会図書館の遠隔複写サービスの利用ガイド

のりお先生の読切作品が掲載された雑誌類のいくつかは、既に新たに電子版も購入することが出来なくなっているようです。
(秋田書店系は全滅、「月刊モーニング・ツー」に掲載された『猫と女子の私』『委員ちょうの事じょう』は2023年11月現在でまだ可能です)
そのためもし現在お持ちでない方が読みたいと思った場合は、中古本をあたって雑誌の実物を入手することになるのですが、確実に手に入る保証はありませんし、現在では市中に出回ることがかなりレアな商品になっているかと思われます。
そこでお勧めしたいのが、国会図書館です。
国会図書館には国内で刊行された多くの書籍が収蔵されています。これは出版社は国会図書館に納本しなければならないという法律に基づくものであり、秋田書店もしっかり納めてくれているようです。これまでのりお先生の読切作品が載った雑誌も同様です。従って国会図書館に出向けば、直接雑誌を閲覧することが出来るというわけです。
「国会図書館まで行かないといけないの?」と思われるかもしれませんが、心配はご無用。国会図書館には書籍の一部を複写してくれる有料サービスがあり、なんと郵送でも送ってくれるのです。遠隔地にお住まいの方も安心。ステキですね。
ただし利用できるのは18歳以上の方のみとなっていますのでご注意ください。
ということでこの記事では、国会図書館のWebサイトから「遠隔複写サービス」を利用する方法について説明していきます。

1. 利用者登録を行う

このサービスを利用するためには、まず国会図書館のWebサイトで利用者登録を行う必要があります。
手続自体はとても簡単です。所要時間は10分もあれば充分。

  1. 国立国会図書館オンラインのサイトにアクセス。
  2. ページ右上にあるログインをクリックするとログインダイアログが表示されるので、左下の新規利用者登録をクリック。
  3. 新規利用者登録のページに遷移するので、メールアドレスを入力して、画面下部の[注意事項に同意する。]チェックをONにする。
  4. その下の[注意事項に同意して送信]をクリック。
  5. 「【国立国会図書館】新規利用者登録の申込手続きについてのお知らせ」というメールが届くので、その中のURLをクリックする。
  6. 新規利用者登録画面が開きます。ここで「簡易登録」「本登録」のいずれかを選択します。今回の目的である遠隔複写サービスは「簡易登録」の方でも可能のようですが、本人確認書類をWeb上で送る手間を惜しまないなら「本登録」を選ぶことをお勧めします。
  7. 画面下部の[利用者情報の入力へ]ボタンをクリックします。
  8. 利用者情報の入力画面が表示されるので、普通に氏名・生年月日・住所・電話番号等の情報を入力していきます。6.で「本登録」を選択した場合は、本人確認書類の添付を求められます。運転免許証・健康保険証・マイナンバーカード・学生証など公的機関が発行した氏名・住所・生年月日が記載された画像を添付すればOKです。
  9. パスワードを入力したら、画面下部の[申請内容の確認へ]ボタンをクリック。
  10. 申請内容の確認画面に遷移するので、入力内容に間違いが無ければ[この内容で申請する]ボタンをクリック。
  11. IDが記載されたメールが届くので、先に設定したパスワードと共に保存しておきましょう。

2. ログイン~検索まで

ではいよいよ遠隔複写サービスの利用に移ります。ここからは『半開きさん』を申請するケースを例に説明します。
ここからの説明にあたり、ロボ(単三)さまが提供されている短編作品リストを利用させていただくことにします。左記のリンク先の画像を開いておいてください。

  1. 国立国会図書館オンラインのサイトにアクセス。
  2. ページ右上にあるログインをクリックするとログインダイアログが表示されるので、IDとパスワードを入力してログインする。
  3. トップページ[キーワード]の検索ボックスにある詳細検索をクリック。すると細かい検索条件を設定する入力欄が表示されます。
  4. ここでまず、右上にある請求番号を入力します。請求記号は上に上げたリンク先「短編作品リスト」から転記します。請求番号の記載位置はここです。『半開きさん』の請求記号は「Z32-638」ですので、これを入力。(請求記号とは雑誌名を識別する記号のようなものだと思って下さい。なので雑誌名を直接入力しても構いません)
  5. 検索欄の右上にある虫眼鏡マークをクリックすると検索が実行され、下に検索結果が表示されます。
  6. 検索結果の雑誌名、ここでは「月刊少年チャンピオン」のリンクをクリックします。

3. 複写対象を探す

  1. 所蔵一覧のページが表示されます。ここには「月刊少年チャンピオン」の全リストが表示されていると思ってください。
  2. ここからお目当ての号を探すのですが、数が多すぎて大変なのですべての年の項目をクリックして、対象年を選択します。
  3. 対象年は「短編作品リスト」にある「号数」の年を指定します。号数の記載位置はここです。『半開きさん』は2015年2月号なので「2015年」となります。
  4. 絞込ボタンをクリック。するとだいぶ一覧の数が減りましたね。
  5. 絞り込まれた一覧からお目当ての号を探します。「短編作品リスト」にある「巻(号)-通巻」の数字に合致するものが対象です。記載位置はここです。『半開きさん』は「46(2)」となのでこれを探します。たぶん一覧の下から2つめにあると思います。
  6. 見つけた行を選択すると、青色の背景で反転されます。この画像のような状態になっていればOK。

4. 遠隔複写の申請を追加する

  1. 画面右側の方に遠隔複写のボタンがあるので、クリックします。
  2. 複写箇所の入力というダイアログが表示されます。ここに必要な情報を入力していきます。
    1. 「記事・論文名」には、作品名を入力します。ここでは「半開きさん」と入力。
    2. 「著者名」には、当然「桜井のりお」と入力。
    3. 「巻号、ページ」には、「短編作品リスト」に記載されたページを入力します。ページの記載位置はここです。『半開きさん』は「346-351」となります。
  3. 入力が終わったら下部にある[申込カートに追加]ボタンをクリック。これで1件ぶんがカートに追加されます。
  4. 複数同時に申し込みする場合は、2.の検索~4.申請までの作業を繰り返してください。複数件がカートに追加されていきます。

5. 申込手続を行う

  1. 画面右上の方にあるカートのマークをクリックします。
  2. 申込カートのページが表示されます。内容に問題が無ければ、右側の[申込手続に進む]ボタンをクリック。
  3. 遠隔複写申込手続のページが表示される。中段下の方にある調査研究の用に供するためのチェックをONにする。
  4. 画面下部の[注意事項に同意して申込内容の確認へ]ボタンをクリック。
  5. 表示された内容で問題なければ、画面下部の[この内容で申し込む]ボタンをクリック。
  6. これで申込は完了です! 複写作業が終わるまでにはしばらく掛かります。画面右上の遠隔複写のボタンから申込・到着状況の確認を行うことが出来るので、届くまでは確認しておくことをお勧めします。
  7. 申請から2週間ほどでコピーが郵送されてくるので、同封の払込取扱票でコンビニもしくは郵便局・ゆうちょ窓口にて支払を行ってください。銀行振込も可能です。費用は1枚(見開きなら2ページ分)につき25円、そこに手数料・送料・消費税等が加わります。「半開きさん」の場合は6ページ=3枚で577円でした。

6. 最後に

…と、ここまで説明してきましたが、個人的にはそれが可能な環境にある方は、ぜひ国会図書館に赴いて閲覧することをお勧めしたいです。
まず複写と言っても結局のところは書籍を開いてコピー機に押しつけてコピーを取るだけのことですので、それなりに書籍にダメージを与えてしまう作業だと思われます。また上に説明した申請の中で「調査研究の用に供するため」と念押ししていることでも分かる通り、公共の財産であり著作物でもある収蔵書籍を、単なる趣味や興味本位で複写するというのは本来望ましいことではないのかもしれません。
国会図書館なら過去に発刊された多くの書籍を無料で読み放題ですし、普通に1日過ごしていても飽きません。土曜日も開館しているので平日働いている方も大丈夫です。ということで、これを機にぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。私が10年ほど前に利用した際の情報なので既に古くなっている恐れもありますが、国会図書館の施設を利用するための大まかな流れを載せておきます。

  1. 運転免許証・健康保険証・マイナンバーカードなど、年齢・氏名・現住所が分かる身分証明書を持参してください。上の手順で本登録をした人であっても必要です。
  2. 入口のカウンターで利用者登録の申込を行い、登録利用者カードを発行してもらいます。この登録利用者カードは施設への入館、下記の申請作業で用いるPC端末へのログインの際に使用します。
  3. 国会図書館は閉架式です。館内でのみ閲覧が可能で、閲覧したい書籍を申し込んで貸し出してもらう形となります。
  4. 閲覧申請には館内に設置されたPC端末を使用します。登録利用者カードを使って端末にログインします。
  5. 上の複写の手順と同じような感じで、サイトを使って閲覧申請を行います。
  6. しばらくすると貸出準備が出来たことが端末に通知されるので、貸出カウンターに行って受け取ります。
  7. 読み終わったら、返却カウンターに返却します。
  8. ノートPCやタブレット・スマホ等の館内への持ち込みは可能です。ただしカメラやスキャナの使用はNGですのでご注意下さい。

利用者登録の手続き方法については、国会図書館のサイトでもご確認ください。